日本に生まれる

親ガチャとは

「親ガチャ」は、子どもはどの親のもとに、どんな家庭に生まれるかを選べないことを、景品が出るまで中身がわからない「ガチャ」(くじ引き)にたとえた言葉です。このページでは、家庭の経済状況や親の学歴、住んでいる地域によって、子どもの進学や暮らしにどんな差があるのかを、公的な統計で見ていきます。家庭や親を「当たり・ハズレ」で格付けするためのページではありません。

「親ガチャ」という言葉の意味

ガチャは、お金を入れてハンドルを回すと、何が出るかわからないカプセルトイのことで、スマートフォンのゲームの抽選も同じように呼ばれます。「親ガチャ」は、生まれる家庭は自分では選べず、その違いがその後の人生に影響する、という感覚を表す言葉として使われています。

この言葉には、生まれによる差への不公平感と、「どうせ生まれで決まる」というあきらめの両方がこめられていることがあります。統計からわかるのは、生まれによる差は確かにある、ということと、それでも同じ家庭に生まれた人の人生が一つに決まるわけではない、ということです。

子どもの約9人に1人は相対的貧困

厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」によると、2024年の子どもの貧困率(17歳以下)は11.0%でした。およそ9人に1人の子どもが、世帯の人数で調整した手取りの所得(等価可処分所得)が、全体の真ん中の値の半分(貧困線、138万円)に届かない家庭で暮らしています。

子どもがいる現役世帯のうち、大人が一人の世帯(ひとり親の家庭など)の人の貧困率は44.7%で、大人が二人以上の家庭の6.7%と大きな差があります。同じ調査で、暮らしが「苦しい」と答えた割合は、母子世帯で82.1%、児童のいる世帯全体で61.5%でした。

区分貧困率
子ども全体(17歳以下)11.0%
子どもがいる現役世帯の世帯員9.0%
うち大人が一人44.7%
うち大人が二人以上6.7%
2024年の所得による相対的貧困率。出典: 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」。「現役世帯」は世帯主が18〜64歳の世帯。

家庭の収入と、行きたい学校

内閣府「令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書」(中学2年生とその保護者を対象に2021年2〜3月に調査)では、将来「大学またはそれ以上」まで進みたいと答えた中学2年生は全体で49.7%でした。世帯の収入の水準で分けると、差がはっきり出ます。

家庭の状況「大学またはそれ以上」まで進みたい
収入が中央値以上64.3%
中央値の半分以上、中央値未満38.1%
中央値の半分未満28.0%
ふたり親の世帯52.2%
ひとり親の世帯34.7%
中学2年生本人の回答。収入は世帯の人数で調整した収入(等価世帯収入)。出典: 内閣府「令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書」(訂正後の値)。

同じ報告書では、収入が中央値の半分未満の家庭でも、クラスでの成績が「上のほう」の子どもでは56.5%が「大学またはそれ以上」を希望していました。「高校まで」と答えた理由に「家にお金がないと思うから」を挙げた割合は、収入が中央値の半分未満の家庭で15.6%と、ほかの家庭より高くなっています。行きたい学校は、本人の力だけでなく、家のお金の事情にも左右されています。

親の学歴と、家庭の収入

同じ報告書では、父母がともに大学以上を出ている家庭で、収入が中央値の半分未満にあたるのは3.9%、父母のどちらかが大学以上なら6.4%、それ以外では19.0%でした。親の学歴は、家庭の収入を通じて、子どもの進路にも関わっていると考えられます。

生活保護を受けている家庭の子どもの進学

厚生労働省の集計によると、生活保護を受けている世帯の子どもが高校などを出たあと大学や専門学校などへ進む割合(大学等進学率)は、2025年4月1日時点で39.8%(うち大学・短大は23.6%)でした。全世帯では76.6%(うち大学・短大は58.4%)です。高校などを出てすぐ就職する割合は、生活保護世帯40.9%、全世帯14.7%でした(全世帯の値は「学校基本調査」をもとにした算出で、計算のしかたが違うため単純には比べられないと注記されています)。

住んでいる地域と、大学への進学

文部科学省「学校基本調査」(2025年度)の都道府県別の表から、高校(全日制・定時制)を卒業した人のうち大学・短大などへ進んだ人の割合を計算すると、全国は62.6%。いちばん高い東京都は74.8%、京都府は74.5%で、低い鹿児島県は48.7%、沖縄県は48.8%でした。近くに大学が多いか、家を離れて進学するお金を出せるかによって、同じ成績でも進路が変わりえます。都道府県による違いは「都道府県ごとの人生」でも比べられます。

生まれは選べない。そのあとは、選択と運で分かれる

ここまでの数字は、どれも「その家庭に生まれた人の平均」や「割合」です。収入が少ない家庭でも大学をめざす子どもはいますし、恵まれた家庭に生まれても思いどおりにいかない人もいます。どの家庭も、どの生き方も、統計の一つの点であって、だれかより劣っているわけではありません。

人生シミュレーター「日本に生まれる」は、この考え方でできています。生まれは選べませんが、そのあとの進学、仕事、結婚、住まい、お金の使い方は自分で選び、そこに病気や景気、出会いといった運が重なって、人生が分かれていきます。

ゲームで「親ガチャ」を体験する

「日本に生まれる」では、遊び始めると、生まれる都道府県・年・性別とあわせて、実家の経済状況(全国の子どもを世帯の所得で10等分したときの位置)、相対的貧困かどうか、ひとり親かどうか、きょうだいの数、親が大学を出ているかがランダムに決まります。その割合は、上で紹介した国民生活基礎調査などの公的統計を手がかりにしていて、くわしくは「どこに、どんな家庭に生まれるか」で説明しています(決まり方には、出典のないゲーム上の仮定も含まれます)。

人生を終えると、同じ生まれから始まる人生をゲームの中で160通り自動で生かし、その中で、あなたの人生の純資産・生涯の収入・寿命がどのあたりだったか(上位何%か)が表示されます。性格や相性を占う「診断」ではなく、同じ条件で生まれた人の中での位置を、ゲームの試算で見るものです。人生の価値の順位でもありません。同じ生まれのまま何度でもやり直せるので、選び方でどこまで変わるかを確かめられます。

人生シミュレーター「日本に生まれる」で生まれてみる(無料・登録なし) / 日本人の平均的な人生

困ったときの相談先

家のことや学校のことで悩んでいる子どもや若い人は、文部科学省の「24時間こどもSOSダイヤル」(0120-0-78310、通話無料、24時間)に電話で相談できます。

よくある質問

親ガチャとはどういう意味?

子どもは親や生まれる家庭を選べないことを、何が出るかわからないくじ引き(ガチャ)にたとえた言葉です。

子どもの貧困率は?

2024年の子どもの貧困率(17歳以下)は11.0%で、大人が一人の家庭では44.7%です(厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」)。

「日本に生まれる」の親ガチャ診断とは?

性格診断ではありません。ゲームで家庭の経済状況・ひとり親かどうか・きょうだい・親の学歴などがランダムに決まり、人生の最後に、同じ生まれの人生160通りの中での純資産・生涯収入・寿命の位置が、ゲームの試算として表示されます。

数字の出典

「160通り」と順位の表示はゲームの試算で、実際の統計ではありません。ゲームの中の確率や出来事には、公的統計のほかにゲーム上の仮定も含まれます(各解説ページで区別しています)。関連: どこに、どんな家庭に生まれるか / 学校に行く、やめる

次の解説: 『80億分の1』の日本版はある? 日本の人生シミュレーター『日本に生まれる』との違い